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未来志向の百花をめざして

百花堂がオープン当初から目指している不変のテーマについてお話します。

百花堂オープン案内状と提げ札

百花堂コンセプト・カラー(深い緋色)の印刷物。
ショップ什器も気品漂う主張の強いこの色で統一し、漆塗りのように仕上げました。(shop内観
当時私が知る限り(本当に他にないことをしたかったので)、こんな大胆な隠れ家ブティックは珍しく、初めて訪れる人々には衝撃的だったと思います。

百花市松は百花堂のテーマ『色々な日本の花』をモノグラム化した市松模様です。
これは印刷物をはじめ、みなさんがご覧になっているwebサイトでもベースとして使っています。
四季折々の日本の花のなかで、四季の始まり『初春』の花であり私たちが特に愛する『椿』をトレードマークにしています。
赤椿と白椿、2種類の百花市松を提げ札(上右の写真)、webサイトのベースに使っています。

椿ブローチもトレードマークのようなアクセサリーです。
webサイトの百花市松・白バージョンはこのブローチの象牙色です。

さて、どのくらいの方がご存じでしょうか。
2002年5月末に密かにオープンした隠れ家ブティックのオープン案内状。(上左、下は2つ折の中身)

百花堂オープン案内状 中

現在でもトップページの「コンセプト」で掲載しています。

きもの生地の他、オリジナル・テキスタイルが増えデザインの幅は増えましたが、オープン当初と変わらないコンセプトです。

ちょっと誤解されている(?)のが、和風(伝統柄など)と括られること。
私たちは昔の日本人の感性…四季の色とりどりの自然の描写と抽象化するセンスに感銘し、私たちのおしゃれゴコロを通じて体現しようとしています。

繊細さ、たおやかさ、上品な大人っぽさ。
和の花が持つ魅力は昔から現在も変わりません。

未来も?
これはどうでしょう。
今まで変わらず四季折々の美しい花を咲かせてくれた日本の自然、地球の姿が急速に変わろうとしています。
美しい自然を伝えてきてくれたご先祖さんに申し訳ないです。

生涯不変のテーマである百花堂ならではの花のファッションを未来につなぐ願いを込めて、今後もたくさん咲かせてまいります。蝶々やミツバチたちが遊びに来るような陽気なオーラを身に纏うと、きっとみんなが優しい気持ちになれることでしょう。

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5年間の軌跡(シーズンコレクション・ドレス編)

貴重で魅力のあるアンティークのきもの素材を使ったクラッシック・コレクション・ラインは好評でしたが、洋服としておしゃれに着こなせる色柄、コンディションのよいものだけを選びながら作り続けるには限界があります。なにより、きものの反物の幅が約33cmですから、デザイン、パターンに制約があります。


本物志向のオリジナルを目指してファッショナブルに

コンセプトをベースにしたHYAKKADOのファブリックがあれば、もっと自由におしゃれなデザインができるのに。

一流の織物、染め物を見てきて目が肥えてしまった私たちは、やはり一流ものを作らないと納得がいきません。
まずは上質の絹織物を求めて出会ったのが丹後のシルクメーカー
きもので最も高級とされる丹後ちりめんの織元が、現在では洋服用の高級シルク生地を生産されています。
こちらの絹織物を扱うアパレルは日本では高級オーダーメードが多く、他は海外のラグジュアリーブランドが中心。きものの絹織物に見劣りしないヘビー・シルクの、美しいしっとり感が特徴のサテン・ストライプ生地を最初にオーダーしました。

シルクサテンストライプ「椿」フリルミニドレス椿

TSUBAKI シルクサテンストライプ(ハンドプリント/2004年SS)
TSUBAKI フリルミニドレス(2004年SS)

美しいプリントを目指すために京都の老舗友禅メーカーと出会いました。
さすがに一流の友禅作家、図案家、型職人、染め職人を多数抱えています。
現在では独立した洋服生地部門があり、最新技術と伝統技術を生かしたプリントを施しています。
呉服では超一流の染めものとして広く知られていますが、洋服でも少数精鋭のお取引先は一流ブランドのみ。
私たちが受け入れられたのも、熱心さと質への強いこだわり、そして世界的にみて他にない魅力的なものを作りたいという私たちの意志がたぐり寄せたのだと思います。

こうして私が指示した図案・色構成の美しいプリントづくりが2004年よりスタートしました。

和柄の伝統的なイメージを払拭し、モダンでHYAKKADOらしい大人のロマンティックなファッション「シーズンコレクション」が誕生したのです。
スクエアバッグ黒-YURIスクエアバッグ黒-MOMIJI

YURI-black スクエアバッグ(シルクサテンストライプ/牛革エナメル/2004年SS〜)
MOMIJI-black スクエアバッグ(シルクサテンストライプ/牛革エナメル2004年AW〜)

こちらで紹介している写真はすべて丹後のシルクと友禅の染めです

5年間の軌跡(クラッシック・コレクション)

前回のショップオープン編で触れましたが、2年間はきもの(大正〜昭和初期のアンティーク)生地を使った洋服「クラッシック・コレクション」とバッグやアンティーク(帯留・かんざし)で商品を展開していました。今回は「クラッシック・コレクション」が生まれた動機と、その頃の商品や現在も人気の定番をご紹介します。

私達がきものの生地とファッションを結び付けた契機は、15年くらい前でしょうか。
私は美大、妹はモードの学校の学生だった頃、当時進行形の既製服に興味がなく、60年代を中心とした音楽やファッションに触発されてレコードやヴィンテージの洋服をコレクションしながら、興味の対象の”ルーツ”として求めていました。ダイレクトにかっこいい、”モダーン”な感覚を自己流にサンプリングしてコーディネートすることを遊びの中で目指していました。

アール・ヌーボー、アール・デコの時代にも憧れを持っていました。60年代のヴィンテージとは違い、芸術性の高さや本物志向の素材感が際立つアンティークに触れるようになると、ヒップなノリの良さとは違った、時空を超える魅力を感じます。京都という土地柄、古くて良い物に出会うチャンスが多く、大正時代を中心としたかんざしや帯留、美しい彩りの縮緬や大胆で斬新な柄の銘仙のきものに驚かさせられました。日本の古いものがこんなに素敵だったなんて!

できるだけ状態がよく色柄の趣味が私達に合うものにこだわって、アンティークのきものやかんざしを蒐集しました。センスのよいものほど、素材や仕事がよく、上等なものばかり。由緒正しい立派なものはファッショナブルと対極の”退屈なもの”と偏見を持っていましたが、それは違います。きものが主流だった時代では今見ても前衛的でおしゃれなものもあるのです。昔の日本人のおしゃれ感覚にうわべではない永久的なものを感じ、うれしくなったものです。

私達の目が肥えていく一方で、その頃みられたおばさま方のきものリメイクや、後に巷に出始めた「崩し」によるグランジ感覚の和柄ものには違和感を覚えていました。
昔の上等なものには庶民に手の届かないような歴然とした風格があります。あのうっとりするような妖艶な美しさや現代人でも驚くような斬新な感覚と、上等なクラス感をリスペクトしながら、今のファッションとして再構築することを目指し、「クラッシック・コレクション」が誕生したのです。

※今回は15年程前から振り返ってみましたが、別の機会に、更に深く私たちのファッション観のルーツを探ってみたいと思います。

素材選びのセンスが重要なクラッシック・コレクションたち(写真は2002-2004年)
・上…現在でも人気の銘仙などのタックスカートとホールターネック・ブラウス(比較的カジュアル)
・下…大正時代の絽やジョーゼットを使用したブラウスと、大正の縮緬を使った絹房バッグ

クラッシック・コレクション1-2

classic3-4

5年間の軌跡(ショップオープン編)

百花堂の5年間を振り返ってご紹介します。
2002年5月25日に京都・三条のSACRAビルにてオープンしました。三条通りは新しい期待感と歴史ある佇まいの建築物や京都らしい老舗など、「ここにしかない」魅力がある独特の場所だと感じていました。現在ほどの賑わいはなかったものの、わくわくする気分で、私好みの大正建築SACRAビルの前を行ったり来たりしていました。

・2002年頃のSACRAビル・オープン当初のショップ内観

既に百花堂という屋号を得て、HYAKKADOというブランド名で製品を作っていました。どこで販売しようかとセレクトショップや展示会を探しましたが、どこにもない雰囲気とこだわりを尽くしたオリジナル性の高い製品を理想的に見せるには、独自の空間での百花堂オンリーショップがベストだと確信したのです。ならば、SACRAビルしかない!とまっ先にビルのオーナーに頼み込み、「何年でも待つ」つもりでおりました。1階のお店は先越されてしまいましたが、1年後に2階が空いたという連絡をもらいました。2階か…と一瞬戸惑いましたが、こだわりの世界観を共有できるプライベートな雰囲気を大切にした空間として、私達がスタートするのにぴったりだと納得し開店に至ったのです。

2002colle.jpg

・オープン当初の商品例 「クラッシックライン」の洋服(上)とアンティーク(下)

オープン当初の商品構成は、きもの(大正〜昭和初期のアンティーク)生地を使った洋服「クラッシック・コレクション」とバッグ、明治・大正・昭和初期のアンティークの帯留やかんざしなど。
昔の日本人の繊細な仕事とおしゃれ感覚に魅せられ、私達のフィルターを通して再構築、もしくは編集して提案しています。その志しは今でも変わりません。当初は和の要素を素直に、ファッショナブルに表現した世界観は他にありませんでした。ほとんど宣伝もせず、古い洋館の2階でひっそり始めた百花堂ブティックは、おしゃれな人々に新鮮な感覚と驚きを与え、知る人ぞ知るとっておきの店として話題になりました。

あれから5年間、コンセプトを保ったまま常に進化することを目指しています。
さらに私たちの辿ってきた軌跡を次回に続けてご紹介します。