絞り染め

絞り染めについて紹介します。

エスニック・プリントで有名なタイダイがあります。
TIE(結ぶ)& DYE(染める)…文字通り、生地を結んで染めると、表面は染まって結び目の内側には染料が入らず、クシャッとした柄が浮かび上がります。そんな原始的でシンプルな染色が日本古代に大陸より伝播されました。

精緻な技巧を惜しまず、素材・色・柄の表現を洗練させていくのはさすが日本人。
桃山時代には絞り染めで絵模様を描く華麗な「辻が花染め」が普及しました。絵模様を染め分けるために、複雑な縫い締め絞り、竹皮絞り、巻上げ絞りなどの高度な技法が使用されました。つまり、模様に合わせて技法を使い分け、染料に浸けて解くまで染めの状態を確認できません。まさに染めの芸術です。
江戸初期より、自由に絵柄を描く「友禅染め」の発達によって、「辻が花染め」は衰退しました。

糸を括って染め分けた緻密な立体感は手仕事の結晶です。自由に優雅な絵柄を描く「友禅染め」が発達と同時に、精巧な「疋田(ひった)絞り」が生まれました。染め残りが四角く中心に点が出るのが特徴で、絞りを並べて全体的な柄を構成します。生地全体に絞りを施す「総絞り」は17世紀に「贅沢禁止令」で取り締まりの対象になるほど、贅沢なものだったようです。

紅花染めの真っ赤な江戸縮緬に、麻の葉模様の鹿の子絞りを施した「八百屋お七」のきものもお洒落ですね。江戸時代のご令嬢のきものですが、とっても日本的でいて永遠にモダンだと思います。

麻の葉シュシュ麻の葉絞り銀ケース
(左)日本的な赤に麻の葉模様の鹿の子絞り(大正時代)のシュシュ
(右)”麻の葉模様の鹿の子絞り”を施した銀襴の懐紙入れ(大正時代のアンティーク)

百花堂では、水玉模様やほのぼのとしたかわいらしさ、味のある凹凸感、シルクの発色の良さを意識して蒐集しています。一粒一粒に手仕事の結晶、愛おしさを感じられるものばかりです。ファッションとしておしゃれで、モダンに感じるものが基準になっています。

絞り染め
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1.絽縮緬にチェリーピンクの大きめ鹿の子絞り。2.青平織に波千鳥の鹿の子絞り。3.黒紅色の平織りに辻が花染め。4.紫と黄色配色・羽二重に鹿の子絞りがぎっしり。弾力の凹凸感がある。5.写真の幅=反物幅いっぱいの大胆・麻の葉柄。6.赤羽二重にカラフルポップな水玉。7.白羽二重の有松絞り。8.若葉色の有松絞り。9.エンジ色紬に辻が花染め。

上の写真はHYAKKADO製品の材料です。(過去に販売したものを含む)
手仕事の味わい、日本的でかわいらしい魅力がいっぱいの絞り染めを使った商品を少しずつ紹介して参ります。

……………

NHK「美の壺」File71←「絞り染め」について詳しい説明があります。
この番組、全部興味深いですね。「美の壺」公式サイト

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大島紬

高級絹織物の代表、大島紬を紹介します。

手作業による絣(かすり)合わせによる先染めの絹織物です。
インド、スマトラ・ジャワ・チモール島などのスンダ列島にひろく伝わるイカットを起源とし、7世紀頃から奄美大島で織られていました。幕末までは薩摩藩の献上品として用いられ、明治10年(1877年)に一般に商品として進出しました。

南国の香りの、どこか異国情緒を感じるのはイカットが起源だからでしょうか。
ソテツやハブの皮、魚の目など奄美大島の自然をモチーフにしたものが多いようです。本州にはない独特の魅力を感じます。

それらは微細な十字や亀甲の柄を並べて織り出されています。針で経糸と緯糸の絣柄を1本1本合わせながら織り進む高度な技術です。丹念な織り、精緻な模様、渋くて艶のある色。ひと目見て大島紬とわかる、他にはない特別の織物です。

大島紬

百花堂で製品として使ってきた泥大島と泥藍大島の写真

  • 泥大島……車輪梅(シャリンバイ)の煮汁で20回染め、泥田に1回浸ける。この工程を3〜4回繰り返し、染色された糸を用いて織られた紬。深みのあるしっとりとした光沢をもつ黒色と薄茶色の織り柄が特徴。
  • 泥藍大島……植物藍で先染した糸を絣むしろにしてそれを車輪梅(シャリンバイ)泥染で染色したもの。泥染特有の渋い黒地、絣(かすり)柄の部分が藍色で表現された華やかで上品な紬。

百花堂では魅力がある(大正時代〜現代)大島紬をコレクションしています。
その中から、特にくっきりと緻密で細かい柄のものは扇子や小振りのバッグ、帽子などの小物、
ちらりと見えても効果的な、ジャケットの裏地として使用しています。
大振りな柄は生地のハリ感を生かしたタックスカートなど、大胆に使っています。

大島紬のきものは代々伝えていきたい一生モノ。
百花堂の製品も長く愛用いただけるような飽きのこないデザインを心がけています。

今後、少しずつ大島紬を使った製品を紹介します。
この紬の素晴らしさを伝えながら、種類を増やしていきたいと思っています。

……………

以前、お世話になっている奄美大島の大島紬村へ伺いました。
手作業による大島紬の生産工程を丁寧に説明していただき、高度な伝統技術に改めて感動しました。
こちらでは生産工程の見学、体験ができます。
大島紬村の職人さんが織り上げた大島紬を直接購入することができる、納得の贅沢体験です。
素敵なお土産もたくさん揃っています。

日本の南国、奄美の自然も満喫☆!夏が近づくと行きたくなります。

泥大島ブックカバー
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銘仙

クラッシックコレクションの人気アイテム「タックスカート」でおなじみの銘仙についてご紹介します。

銘仙は大正末〜昭和初期に大流行した絹の絣(かすり)です。

明治20年代に東京日本橋に開店した伊勢崎太織の販売店が「めいせんや」の旗を立てて売り出したのが最初で、江戸時代に緻密な織物を「目専」または「目千」と呼んだのがその由来と言われています。後に「銘仙」の文字が使われるようになると他地域でも銘仙が生産されるようになりました。

型紙捺染をした糸を使うことによって自由で斬新な配色・デザインを生み出しました。銘仙が市場に出た期間は短いのですが、当時の若い女性のポピュラーな反物として愛用されたため、大変ファッショナブルなものを発見することがあります。

解(ほぐし)模様絣…経(たて)糸に型紙捺染をした糸を使う
緯総(よこそう)絣…緯(よこ)糸に型紙捺染をした糸を使う
併用絣…経糸、緯糸ともに型紙捺染をした糸を使う

型紙捺染をした糸を使っているといっても、プリントではなくあくまで絣。絣糸の乱れによる曖昧な輪郭線と不均一な糸味が魅力的です。きものだったとは思えない斬新な色、ポップなデザインが銘仙の醍醐味ですね。

HYAKKADOでは
コンディションがよいこと(できれば未使用の反物、布の強度を検査する)
色、柄が私たちの好み百花堂好み)で、素敵であること!

百花堂好みとは、色・風合いが艶やかで洋服として見ておしゃれであること
当時らしいアールデコ柄、幾何学柄、抽象画(モンドリアン、カンディンスキー、クレー等)風のもの
具象的ハイカラモチーフ柄(サイコロ柄、本柄、マッチなど)、自然(花、動物など)

この条件で生地を探し蒐集しています。
いくらポピュラーだったとはいえ無尽蔵にあるわけではないのですから、こだわって蒐集するのは大変なことです。近頃は急速に減っていますし、ますます貴重な存在です。

銘仙9パターン

HYAKKADOで使っている銘仙の写真。既に販売したものと、これから紹介するもの。
過去に販売したものはすべて記録しているわけではないがどれもすべて記憶している。

1反の反物からできるスカートは1枚か2枚。
生地との出会いは私たちにとって運命的なものを感じますし、お客様にとってもそれは同じこと。
まさに出会いを楽しむ、そして愛用する人とともに生きていくものなのです。

製品は、小幅(33cm)という制約の中で、生地の特徴(銘仙はパリッと軽いハリ感と光沢感)を生かしたデザインを心がけています。

今後は少しずつ、銘仙を使った商品を紹介します。どうぞお見逃しなく!

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